誰にも聞こえない、(3/7) 「汚い女には、汚い仕事がお似合いね。」 今までゆいが仕分けした洗濯物を、ナースは笑いながらばらまく。 そしてゆいの身体に一蹴り入れれば、その場を去る。 エース… わたしはどうすればいいの? 痛いよ。 身体も痛いし… 心も痛い… 助けて。 まだ1日目だよ… 散らばった洗濯物を一人で集めながら、ゆいは痛む身体に食いしばる。 先輩に言ったら、大丈夫になるかな…? マルコなら、解ってくれるかな? エースのいないこの2週間を、どうやって生きていけばいいのか… 色々思い込みながら仕事をした。 洗濯を乾し終え、ふうっと伸びをするゆい。 我ながら今日も頑張った、と。 すると、後ろから自分の名を呼ぶ聞き慣れた声がした。 「よぉ、ゆい!」 「サッチ…!」 ニコッと微笑むゆいの頭を撫でるサッチ。 少し新入りナース達と楽しそうに会話していたサッチを思い出してしまうが、 やっぱり、サッチはサッチだ。 ← | → |