伝説の転入生(7/7) 「おはようさん。」 ゆいはエースに視線を向ける。 どうやら自分に言っているみたいだ…と思ったゆい。 「ああ、おはよう。」 朝からゆいに挨拶をするエース。 そして、その挨拶に普通に返事をするゆい。 珍しいとか言うレベルの問題ではない。 あのゆいに? そしてあのゆいが? これもまた、転入生エースの伝説へと書き加えられた。 「なあ、今日昼から何の授業だったっけ?」 休み時間、後を向いてゆいに話し掛けるエース。 ゆいは本から目を逸らす事なく答える。 「数学と古典だ。」 「げっ!今日もシャンクスかよ〜!」 「シャンクス先生、だろ。」 「いいんだよ、あいつは親戚だからな。」 「嘘言え、他の教師も呼び捨てな癖に。」 「あ、じゃあ全部親戚ってことで。」 「…付き合ってなれない。」 ため息を零すゆい。 だが何だかんだで、エースの言葉に返事をしている。 そんなゆいを見た者がいるだろうか。 あ、そうだ!とまた会話を続けるエース。 周りはその2人に注目している。 ゆいは相変わらず面倒臭そうだ。 エースの武勇伝は、これくらいではまだ済まない。 これからこの学校をひっくり返すような出来事を起こすのだから。 continue... ← | → |