大っ嫌い、単純に。(5/6) ゆいは閉じていた口を開いた。 「…お前の、そういう所が嫌いだ…っ!」 今のはマジで言ってる気がした。 胸がぎゅって締まる感覚。 こんな感じ、久しぶりだ。 ゆいはキッとエースを睨んで、その場から立ち去った。 一人残されるエース。 ああ、俺は何をやっているのだろうか。 3諭吉が別に欲しいわけじゃない。 あー、まあくれる分には欲しいが。 でも俺が本当に欲しいのは、きっと諭吉ではなくゆいの本当の顔。 見えかければ、上手に隠される…。 何て上手な奴だ。 これまで話しかけてきた経験上、ゆいは男慣れどころか人間慣れしていない感じだ。 本当はちゃんと喋れる、可愛い奴なのに。 「あれ、ゆいはいないんだな?」 サッチとマルコが戻って来た。 一人、ゆいの席を向いて考えるエース。 「ああ、虐めすぎた。」 ははっと笑うエースが尋常ではない事くらい知っている。 まあ多々あるゆいへの驚くべき行動に、サッチもマルコも差ほど驚きはしなかった。 ただ苦笑して、近い自分達の席に座る。 「成績の事かい?」 「いや、なんか色々言われたんだけどよ。明日の生徒会に出席しなけりゃクビだって言われて。 ゆいが来てほしいなら、行こっかなあ?って言ったら、キレられた。」 「お前、それマジで言ったのかよッ!?」 ヘラヘラ笑うエース。 だが内心では、最後の大嫌いが派手に傷口を付けていた。 あーあ、どうするか。 ゆいの機嫌は、今まで出会ったタイプの女のやり方では直らない。 「お前も大変なもんに手出したな。顔は可愛いぜ?スタイルも文句なしだ!見た目は俺だってタイプだけどよ… あいつの事、飼い馴らしてる奴なんて、見たことねぇし。 だから言ったろ?あいつは難しい奴だって。」 ポテチの袋をパーティー開きにして、マルコの机にの乗せるサッチ。 それを3人で摘み始める。 「…あいつの家が難しいからよい。」 マルコの不意の言葉に食いつくエースとサッチの耳。 今、なんと!? ← | → |