...だから嘘をついた。(4/7) ゆいと別れを告げて、1週間が経った。 自分の回りは相変わらずだ。 「なあエース、ポーカーしようぜ!」 ルフィの誘いに、了解する。 その誘いを聞き付け、マルコやサッチ、ナミもテーブルを囲んだ。 そう言えば、この間までゆいがここに居て… 不意にそんな事を思ってしまう。 そしてエース同様、物足りなさを感じたルフィはエースに言った。 「そういやあエース、ゆいは次いつ来るんだ?」 マルコ以外、ゆいとの出来事を知らないのだ。 そんな事を言えば、自分達が辞職してゆいとより戻せと言われ兼ねないからだ。 エースは難しい顔で言った。 「ゆいはもう来ぇよ。」 「ん?なんでだ?」 我ながら、脳天気な弟をもったものだ。 何食わぬ顔で兄の傷口をえぐるルフィに、マルコは苦笑する。 「ゆいはそれが幸せなんだよ。」 ルフィと目を合わさず、エースはカードを配る。 さり気なく見える、エースの寂しい表情。 ここ何日か、エースの様子がおかしいのはルフィでも知っていた。 サッチやナミは青い顔でエースに言う。 「あんた、まさか…」 「あのクソ野郎に威されて…」 「んなんじゃねぇよ。 純粋に好きだから別れた。」 エース、好きだよ、 だからさよならなんだよね? 理解あるゆいの最後の言葉。 今でも胸が痛い。 「やっぱりエースは、一緒に遊んでやらない!」 「はあ?」 ルフィが怒った口調でエースに言った。 遊んでやらないって、 遊んでくれって言ったのはどっちだ? 「頭冷やすまで、俺の前に現れるな!」 厳しい弟の一言。 ブラコンのエースには効いたな、と誰しもが思った。 エースは立ち上がり、部屋を出ていく。 ← | → |