何もいらないから自由を下さい(2/7) 「これ、サッチの料理じゃねぇ!」 「!」 料理を口にすれば、確かにいつもの料理より断然不味い。 それに、料理の色合いもサッチの作ったのより悪い。 …もしかしたら、 エースはバッと元秘書の方を向いて、尋ねた。 「なあ、マルコを呼んでくれねぇか?」 元秘書野郎は、ニコッと笑う。 気持ち悪いくらい、怪しい笑みで。 「執事マルコは、昨日をもってこの屋敷の執事をお辞めになられましたよ。」 「ざけんなッ!」 バンッとテーブルを叩くエース。 食器やスプーン等の音がなる。 「ナミもか? サッチもか? 辞めたんじゃねぇだろ、辞めさせたんだろ?」 曜日に鈍いルフィは、今日はナミの日だったと気付く。 そして立ち上がり、エース同様に元秘書を睨んだ。 「ええ、そちらの方々もクビにいたしました。 …何か問題でも?」 「大問題だッ! さっさと連れ戻せ!」 玄関口の方角を指差すエース。 気が立っているエースを、逆なでする様に笑う元秘書。 「それはできませんね。」 「はあ?」 「貴方がよく解っておられるでしょう?」 「!」 …まさか、な。 先手を打たれた。 こいつは知っていたんだ、ゆいとの関係を。 顔色が変わるエース。 それを面白そうに見る元秘書。 「わからねぇぞ! 俺にはわからねぇ! マルコもナミもサッチも、何も悪ぃ事してねぇんだろ? ならいいじゃねぇか!」 ルフィがキレた。 そりゃあそうだ。 ルフィは友達を大切にする奴だから。 ← | → |