メモの箇条書き 二人の夢物語(3/7) 「ここ、エースのお家なの?」 「ああ、そうだ。」 「お城みたいだね。」 「いつかはゆいも住むかもな。」 そう言ってやると、ゆいは嬉しそうに笑う。 元秘書野郎がいなければ、今頃ゆいは本当にここに住んでいたかもしれない。 帰って来ない親は敵ではないから。 「そんな事より、行くぞ。 サッチが何か作ってくれてるらしいからな。」 「嬉しい。」 エースに手を引かれるゆいは、長い廊下を何回も曲がったりする。 本当に豪邸だ。 自分の家が何十軒…いや、そんなものじゃ済まないだろう。 おまけに広い庭まで見えたし、まだ色々見てない所がいっぱいあるのだろう。 初めて見る世界に、ゆいはまるで初めて街に来たエースの様な表情をしていた。 エースが向かったのは、先程みんなでトランプをしていた部屋だ。 まだトランプをしているのだろう、中は騒がしい。 ドアを開けば、一斉に視線がこちらへ向いた。 そのせいか、ゆいは固まる。 そんなゆいの手をしっかり握り、中へ入る。 「にしし、そいつがゆいか?」 ルフィが笑いながらエースに尋ねた。 エースはおう!、と返事をすれば、ゆいに中の人を紹介する。 「ゆい、あいつがルフィだ。」 「エースの弟さんの?」 「ああ。 できの悪い弟だが、仲良くしてやってくれよ。」 にしし、とまた笑うルフィに、ニッコリと笑うゆい。 「そんで、こっちがサッチであれがナミ。」 「ゆいって言います。 よろしく。」 ペコッと頭を下げるゆい。 ナミとサッチはニヤニヤし始めだ。 「まあゆい、適当に座ってくれ。」 「うん。」 白いふわふわしたソファーに座るエース。 その横に腰掛けるゆい。 サッチは部屋を出て行き、ナミとルフィはゆいに釘付けだ。 ← | → |