5分・・・いや5秒でいい、(4/6) 初めてなものが多く、はしゃぎすぎたエースは疲れてゆいと公園のベンチで休憩する。 ずっとプリクラを眺めるゆい。 そんなゆいを見ていたエースだが、ボソッとゆいの口から聞こえる。 「…でも、エースには感じたんだよ?」 「なにがだ?」 「さっきの話。」 「?」 「ほら、運命の話。」 ああ、と納得したエース。 だが、数秒して驚いた。 意味を理解するまでに時間がかかった為だ。 「って、マジかよ?」 「マジだよ?」 「まあ俺も出逢った時に感じたけどな。 まあ世間で言う一目惚れだ。」 あまりにもストレートな告白に、目を丸めたゆいはエースの方を向いた。 なんとも輝かしい笑みを見せるエース。 笑い事ではないぞ、 と思わず思ってしまう。 「俺、ゆいの事好きなんだ。 だけどな、俺はあの秘書野郎の目を盗んでしかここには来れない。」 「…うん。」 「それでもよかったら、俺と付き合ってくれないか?」 言ってしまった。 ただ、ゆいも運命を感じていたのなら、隠す必要はないと思った。 こんなに遠くて、何者か解りきってない俺が良い訳がない。 俺だって自由が欲しいんだ。 ゆいの次に。 ゆいは小さく言った。 「…わたしは一般人だよ? 許してくれないよ。」 悲しそうなゆいの瞳。 これは期待していいのか? 「誰にも許して貰わなくてもいいだろ? 何であの秘書野郎に人の恋路に一々首を突っ込まれなきゃなんねぇんだよ。」 全くだ。 プライベートもあったもんじゃねぇ。 ゆいは驚いていた顔を和ませ、言った。 「エース… わたし、エースのこと好き…っ」 そのゆいの言葉が聞けたエースは、思わずゆいを抱きしめる。 ゆいは困った様子だったが、自分からエースの背中に手を回した。 「初めてだよ、運命とか感じたの。」 「俺だって。」 腕を緩め、ゆいと目を合わせる。 そして唇を重ねた。 ← | → |