脱獄常習犯 | ナノ

老朽化には勝てません。(3/7)







ゆいの目の前に立ち塞がる黒ひげと名乗る男。



…次に捕まれば、絶対にインペルダウンのLEVEL6は確実だ。

あんな所に入れられては、出るに出られないだろっ。



全力で戦ったゆいに光はなかった。





















「…はあ。」



暗い牢獄でため息を吐く。

がっちりと嵌まった海楼石の手錠に、能力が使えない。
こんな状況は今までになかった訳ではない。


だが、それ以外にも条件が悪すぎるこの牢獄。



普通、女の子をこんな所に監禁すりだなんて許されない。

しかも脱獄経験は14回あるものの、年齢はまだ18歳の子供なのに、これは流石に酷い。



おまけに黒ひげにやられた傷だって治ってない。



奴は自分を世界政府に売る代わりに七武海入りをしたいと言い出たらしい。

だが交渉は失敗に終わった。


それに気になった。
何故黒ひげには能力が利かなかったのか。

ヤミヤミの実の能力らしいが…



だがもう関係ない。

ここから逃げられる気すらしないから。
黒ひげを憎みながら、短い人生にピリオドだ。






捕まって1週間が経った。

じっとしているのも性に合わず、海楼石ではない足の鎖を弄っていた。


まさか、脱獄常習犯が脱獄のための道具を持ってない事もなく、足の鎖は簡単に切れてしまった。



思わず顔がニヤける。



「出れるかもしれないな〜♪」



今回この牢獄を脱獄したならば、きっと世界中は今までの脱獄以上に盛り上がるだろう。



懸賞金も億になったり…



足で器用に壁と自分とを繋ぐ鎖を道具で引き契る。
それに1週間かけた。




 







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