脱獄常習犯 | ナノ

彼と彼女を繋ぐモノ。(3/6)








エース…

わたし、やったよ。


サッチさんの仇に
わたしとエースを売った怒り、

それと、親父さんを裏切った罰と…



大好きな人は誰も死んでません。

こんなハッピーエンドは他にありますか?



ちゃんと帰る…
嘘になっちゃったね。


帰りたいんだよ。
船がわたしの居場所だから。



それに、エースに言いたいことあるし…



エースに聞いて欲しいことがたくさんあって、

でもエースに1番伝えたい事しか言葉にできなくて。



ずっと好きだったのに。
生きているうちに、言いたかった。



また会えますか?















「…嘘だろ。」



エースが辿り着いた時には遅かった。

ティーチを食べる人食い花。
血の跡が広がる瓦礫。



だが肝心のゆいがどこにもいない。



確かにゆいの目撃情報はあったし、この島はとても治安がよい島だと昨日まで聞いていた。



ティーチの力だ。



瓦礫の中を必死に探す。
ゆいはもしかしたら、どこかに隠れているかもしれない。



「ゆい、どこだ!
返事をしてくれ!」



ゆいどころか、人の気配すらしない。


ティーチの仲間はどうしたのだろうか。

ゆいの人食い花に食われたのだろうか。



いや、だがティーチの仲間は、ティーチの能力が怖いから戦っている間は消えている筈。



ゆいの人食い花が、ゆいを食う筈もないし…

ゆいのビブルカードは、まだここにある。



「生きてる事は、間違いねぇのに。」



ビブルカードは先程から何も動かなくなった。

ただ、明らかに紙の大きさが小さくなっているのは解る。



早く見つけなければ、きっと今ゆいは重傷を負っているはずだ。


ふと、空を見たエース。
あの時と同じ、胸騒ぎがする。



この島にはゆいがいない様な気がした。


もっと、やばい所にきっといる。
ゆいのビブルカードを握り、エースは勘を頼りにグランドラインをストライカーで進んだ。





 









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