脱獄常習犯 | ナノ

彼と彼女を繋ぐモノ。(1/6)








「ゼハハハ…また会ったな。」



見つけた…
やっと見つけた。



船を出て10日と3時間ぐらい。
ゆいはグランドラインを南に下った。

黒ひげの情報を追いながら、とある島まで辿り着いた。



ここは観光名所な島であるはずなのに、そこには何もなかった。



「…こんなことして
心、痛まないの?」



瓦礫をゆいは踏み、一歩一歩と黒ひげに詰め寄る。


この島の人々は、以前脱獄して来たわたしを歓迎してくれた。

とてもいい人々だったのに。



詰め寄るゆいに、銃を放つ黒ひげの仲間。



脳天に何発もお見舞いするが、当たった部分から蔓が生え、ゆいの頭に食い込んでいる銃弾を弾く。



「ちっ、ロギアか…」



銃を下ろす男。
その男を睨んだゆい。



次の瞬間、下から生えてきた蔓によって男の体は締め上げられる。



「可愛い顔して、相変わらず酷なことするんだなあ。

そう言えばお前ェ、エース隊長を脱獄させてくれたんだっけ?」



「自分が檻にいれたくせに、よく言うよ。」



「そうカリカリするなよ、なあゆい?」



「気安く呼ぶなッ!」



瓦礫の板から生える大きな木。

しかも1本や2本どころではない。



木は黒ひげを、まるで生き物のような動きをしながら捕まえ、締め上げる。



「うああっ」



力を使う前に息の根を止めてしまえば、こちらのものだ…そう思ったゆい。


だが、実際にそう上手くはいかなかった。



「ゼハハハ、」



「!」



闇が地面に広がった。
もちろん、せっかく生やした木は枯れていく。



ヤミヤミの実の能力はゆいを黒ひげへと引き付ける。


ゆいも重力のようなその力に、負けずと踏ん張る。



履いているブーツが地面に食い込み、1歩ずつ引き込まれる。



「くそ…っ」



地面から生やした蔓。

それを足に縛り付けて、体制を整える。


だが蔓ごとあの能力に引き込まれ、ゆいも黒ひげに呆気なく吸い込まれる。



「ああ…っ」



捕まれる腕。

跳んでくる銃弾を浴びたのは初めてだ。


血の出る肩と足。


捕まれている腕を軸に、飛び上がり、黒ひげの顔へと蹴りを入れてやる。



元はきっとそんなに強くない奴なのであろう、避けることなく顔面を蹴られる黒ひげ。





 










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