脱獄常習犯 | ナノ

あなたのため、わたしのため(2/6)








白ひげは、エースがわたしをここへ連れて来ることを見破っていたのか。


世間はエースを脱獄させたのが誰かを号外でちゃんと流している。

エースが一人で帰ってくることを普通に予想しない…白ひげらしいと思った。



「親父、口にはしないけど色々と分かってんだ。

すげーよな。」



「世界に名も通るわけだね。」



「そうだな。」



それから色々エースと話した。


そして親父さんがわたしのために開いてくれた宴で仲間を紹介してくれた。

船の案内や、白ひげ海賊団の基本的なシステム、雑用当番の日の仕事などをエースが事細かに教えてくれた。



それはきっと、親父さんがわたしに2番隊隊員になれと言ったから。


























2番隊隊員として船に乗って1ヶ月が経った。

世間は未だに新聞で脱獄のゆいが火拳のエースを脱獄させたことでの、専門家の批評などが取り上げられていた。



もう1ヶ月も経つのに、懲りないな…、

そう思い、ゆいは新聞を丸める。



「なあゆい、暇だ〜!」



ゆいが来た日、つまり脱獄して心配した白ひげに打たれた日から、エースは相変わらずあまり遠くへは出して貰っていない。


そのため、エースのビブルカードはおとなしい。



「エース、この間の報告書がまだって、マルコが怒ってたじゃん。」



「うわ、まずい…!
すっかり忘れてたぜ…っ

ゆいはもちろん、暇・だ・よ・な?」



エースから明らかに目を逸らし、丸めた新聞を見るゆい。

次に言われる言葉が読めてしまったから。


そんなゆいをエースは中指で弾く。



「隊長命令だ、」



「うわ、ずる〜!」



「うっせ、手伝え!」



「ひ、人で無し〜!」



「どーとでも言え。」



「湿気てヘタればいいのに!」



「お前、自分の隊の隊長に言うことか…それ。」



苦笑するエース。
そう言いながらも、報告書を手伝うゆいもゆいだ。



スラスラと手が進むゆいに、全く文字を並べるのが苦手なエース。



結局、報告書は表紙以外ゆいが全部書いて、親父さんに怒られたエースがいたとか。





 








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