脱獄常習犯 | ナノ

解放されたわたし(6/6)









ポロポロと手錠の残骸が床に落ちる。

自分の中でも力が沸いて来るのが感じられた。





もう自由だ。



生き返った様な感覚が体を駆け巡る。

それはまるで窮屈な檻から解放されたみたいだった。



「は、外れた…!」



「よかったな、ゆい!」



驚くゆいの横で笑うエース。


全くすごい人だ、白ひげさんは。

本当に海楼石を粉々にしてしまった。


しかも能力を使い、自分に傷一つどころか何も感じさせずに。



「グララララ、これで足手まといじゃねぇな。
どーだ、俺の娘になるかァ?」



「…わ、わたし、賞金首だけどいいの?敵増えちゃうけど…」



「誰にんな口叩いてやがる。
俺らは海賊だァ、敵なんざ増えたと思いはしねぇよ。」



「船には賞金首なんか腐るほどいるぜ?
気にすんなよ。」



まさかこんな展開になるだなんて、思ってもみなかった。


ただ白ひげと挨拶して、適当に一晩くらい泊まってさよならしようと思っていたゆいにとっては動揺を誘った。



仲間はいなかったし、別に作ろうとは思わなかった。

でも今日、白ひげ海賊団というエースの仲間に会って、心のどこかできっと羨ましがってたのだと思う。



エースを思うように、わたしも仲間に加われば、帰ってきた時に泣いて喜んでくれるだろうか。



ここをわたしの居場所にしてもいいのだろうか。



答えはエースや白ひげの表情が示していた。

ゆいは頷き、満面の笑みで言った。





「よろしくお願いします…!」








continue...











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