不幸がまねく、しあわせ(7/7) 「…エースの?」 「ああ。」 「いいの?こんな大事なもの、わたしなんかに渡して…」 「お前に持っててほしいんだ。 命の恩人だからな。」 ゆいはエースのビブルカードを受け取る。 嬉しい半面、少し申し訳ない気になる。 ゆいも、そうえば…と同じような紙切れを出した。 「わたしも一回だけ作った事があるの。 だからエースのと交換ね。」 自分のビブルカードをエースに渡せば、嬉しそうに受け取ってくれた。 好奇心で作っていて良かった、と思った。 もちろんエース以外の誰も脱獄のゆいのビブルカードなど渡してない。 何を期待したのかは解らないが、エースに渡してしまった。 それ程、自分の中のエースの存在が大きくなっている事に自覚した。 脱獄してよかった。 continue... ← | → |