脱獄常習犯 | ナノ

不幸がまねく、しあわせ(6/7)








すると、エースの口が最初に開いた。



「なあゆい?」



「ん?」



パッと見たエースの顔は少し真剣だった。


何を言われるのだろう…
すごく緊張する。



「これから行くとことか決まってんのか?」



「…特にないけど?」



「なら一緒にモビーに帰ろーぜ。」



「え…!?」



エースの言葉にゆいは目を見開いた。

モビーって、モビーディック号の事であろう。



「親父と面識あるんだろ?
それに礼だってちゃんとしたい。
もしかしたら親父がその海楼石の手錠取ってくれるかもしんねぇぞ?」



ハッとエースの視線の先の自分の手錠を見る。


見事に左手にピッタリな手錠はとるのは難しそうだ。
しかもこのままでは能力が使えないただの人間だ。



「…お邪魔していいの?」



「むしろ、お邪魔してほしいんだけど?」



ニカッと笑うエース。
だめだ、この笑顔には勝てる気がしない。


それにエースともっと一緒にいたい。
何よりな結果だ。



「白ひげさんに会いに行くよ、」



「おう!
親父も近くにいるそうだし、すぐに合流できそうだ!」



「…な、なんで解るの!?」



いきなりのエースの言葉に、詰まった表情のゆい。

そんなゆいに、エースはズボンのポケットから紙切れを出した。



「これだ。」



ああ、とゆいは納得する。



「ビブルカードか。」



「ああ。
あ、そうだ!ゆいにこれやるよ。」



そう言ったエースは反対側のポケットから、同じような紙を出した。


そしてゆいに渡す。




 








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