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帰り道を覚えてますか(3/3)










「俺、一緒に帰ろって言えばよかったって、ちょっとだけ後悔したかも。」



「え…っ」


「そうしたら*****が俺を待つのも当たり前で、俺はいつもみたいに*****と手繋いで帰れたのにってよ。」



エースはあの後からずっと自分の気持ちを分かってくれていたのかもしれない。


一緒に帰るために待つことは決して苦ではなくて、寧ろエースのために待ちたいって思うこと。


なのにあたしはエースは分かってないって…こんなに見栄張った嘘吐いて、ポカ○置いてエースと向き合う前に帰って。
そのくせ昼間はエースに気付いて欲しいって思ってたりして。


エースが女子に絡まれてたのを見て勝手に腹立てて…。



何がしたかったのだか…まるで臆病者みたいだ。



「…あ、あたしが悪かった、
その……あれだ、あたしが言うべきだったのに…っ」



「はは、*****から言い出せないのは今さらだか気にすることじゃねぇ。
尤も俺はそんなに可愛いこと言う*****も大歓迎だけどな?」



「ふ、ふざけるな、馬鹿っ///」



「真面目に言ってんだけどな?
なあ、*****ちゃん?」



「その呼び方やめろっ!
さっきまでどうせ女子生徒にちやほやされてたくせに。」



「‥‥*****?」



「あ……っ」



言ってしまった。


縛られてるだなんて思われたくなかったから、なるべく言わないようにしていたのに。

よっぽどその言葉はあたしらしくなかったのだろう、エースは少しだけ驚いているように見えた。



でもそう思っていたのは事実。
少しだけエースと距離を感じさえしたのだって。



「あれだ……ポ○リだって、他からもらってたらいらないかもって…思ってた、」



「こら、*****ちゃんっ」



視線が下がっていけばペチンと両頬を両手で挟まれる。



「だ、だから普通に呼べ…っ」



「俺、もしかして…いや、もしかしなくても*****のだろうって思ったらすんげー飲むの勿体ねぇって思ったんだけど?」



「はぁ…!?」



「*****がどんなふうに俺の机にポカ○置いて教室から出ていくかとか、すんげー簡単に想像できて‥‥なんか色々勿体ねぇって思った。」



笑うエース。
きっとそれはとんでもなくポカ○を置くことに悩み、帰ることに悩んだあたしの姿を想像して笑ったことだとうかがえた。


あながち外れてはいないその想像に眉が額に寄る。



「ふ、普通に置いて普通に出て行ったに決まっているだろ!?///」




「あー、はいはい。
じゃあ明日からは普通に体育館で手渡ししてくれよ?
*****の言う"普通に"ってやつで。」



「……し、仕方ないな‥そこまで言うのなら…別に体育館まで行ってやってもいい…///」



「ほんとお前は可愛いなぁ。」



「なッ……!
は、早く帰るぞ、せっかく待ってやってたんだから。」













「*****」



「なんだ?」



「部活終わるの待ててくれよ。
んで、一緒に帰ろう。」



「馬鹿‥‥遅いんだよ。//」








end







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