素敵な場所へと手を引いて?(1/3) 白ひげ海賊団の母船であるモビーディック号は、先ほどとある夏島へと碇を下ろした。 久々の島というわけではないが、前の島では2番隊が船番だったのもあってか、島がすごく新鮮に感じた。 島の街が小さく見えれば医務室でシーツの整理をしている恋人の手を引く。 ひゃっと小さな悲鳴をが聞こえたのかも知れないが、気にせず手を引き歩く。 エース隊長、もう少し*****を丁寧に扱ってあげてくださいよ。なんてこの間ナースの姉ちゃんに言われたっけな。 まあ色んな意味がこめられているのだろうが。 別にあれだろ、*****が激しく犯して下さい、みたいな顔するから…俺だけのせいではない。それを言えば*****がどうなるか大体予想できるから言わないけど。 自分と比べて歩きづらそうな少し高めのナース用の靴が通路に音を響かせる。 挙げ句の果てには後ろから荒い息が聞こえてくる。 おいおい、今は…………って、それどころじゃねェな、 「エース…っ!!」 「わ、わりぃ…無事か?」 「無事じゃないですーッ! も…疲れたあ、体力馬鹿!エースの馬鹿!」 「そりゃあ毎晩あんだけヤってりゃ体力つく…「聞いてないしッ///」 乱れた息を直した*****のムッとした顔が上目遣いで自分を睨んできている。 こいつはこの角度で睨むことの無意味さに全然気づいていない。 煽るだけなのによ。 もう、シーツごと持って来ちゃったじゃん!なんて文句すら耳に入れば甘い言葉にしか聞こえない。 いまさらだが、病気だ。 「それより島だ! *****、デートだ!!!」 「待ってよ、わたしナース服だしシーツ持ってるし、」 「…着替えならばっちり見といてやるから先に部屋行くか。」 「来なくていいッ!// もう…エースがシーツ医務室まで返しといてよ。」 「んー、しゃーねぇ。 この借りは夜きっちり…「誰のせいだと思ってるの!」 もう、と言えば元来た道の方へと身体を回され、背中を弱く押される。シーツまでしっかり持っている自分は今さら*****への否定はできないと諦めた。 心踊って少し強引だったのは事実だから。 *****に背を向け歩きだす。 洗い立てのシーツはいい香がして、そのシーツを今朝乾していた*****の姿が脳裏に浮かんだ。 そんな華やかな思い出しの最中に後ろから気の抜けた声がした。 「あ、エース…、」 「ああ?」 愛しい声に振り向けば、*****は言った。 「今日はサッチが海辺でなんか勝負事するみたいだよ?」 「…………」 「全員強制参加だって。」 「…………」 「デートできないね。」 「…………」 待てよ…俺、カナヅチだって。 ← | → |