計画的なサプライズ(2/7) 学園祭事件で、公然とされた生徒会長と副会長の関係。 嫌われ生徒会長、お ゆい。 伝説の転入生副会長、ポートガス・D・エース。 彼等の関係は学園中の誰もが知るほど有名な話。 そして、あれから周りはゆいに対しての態度を変えるようになった。 「おさん、この問題の解き方が解らないの…」 「ん?…これか?」 ゆいに気軽に話し掛ける生徒が増えたのだ。 最初はゆいの方が慣れないと焦っていたが、エースのアドバイス等もあって、今はちゃんとクラスに馴染めている状況だ。 3年の秋になって、ようやくだ。 必要ないと思っていた人間関係は、案外そうではないことをエースに教えてもらった気がする。 まだ自分から他人の元へ寄る程ではないが、ゆいは大きな変化をした…自分も他人も感じている事だ。 「…だから答がこれと一緒になるんだ。 …解ったか?」 「なる程な。本来はそう解くのか。」 「そうだ…って、なんでお前が納得するんだ!」 相変わらず席が前であるエースは、腕を組んで頷いている。 彼は腹立たしいことに、天才と言う言葉がよく似合う野郎だ。 本来は…と言うことは、違う解き方を自分で編み出している、と言うことに繋がる。 クスクスと笑う女子生徒。 「ありがとう、凄く解りやすかったわ。」 「そうだろ? シャンクスの授業受けてるより、ゆいに聞いた方が成績上がるぜ?」 「お前は喧しい。 それにシャンクス先生、だ。 …大体わたしはお前に勉強を教えたことなど1度もないのに、勝手な事を言うな。」 「照れるな照れるな! まあ勉強もそうだが、やっぱりゆいは可愛いげなところが…いてっ」 コツンッとエースの頭を叩くゆい。 実際はこんなに可愛い音や見た目ではなく、とてつもない痛みで男子生徒を保健室へと追いやったことのあるものだ。 それをまともに受けて、ヘラヘラ笑うエースはいつも通り。 ノートを持って、じゃあねと去っていく女子生徒。 ゆいはそれに目をやった後に、エースを睨んだ。 「…恥じらえ、馬鹿っ//」 ボソッとゆいから聞こえた言葉。 こちらを睨んでいる顔の頬が少し赤い。 「お前って奴は〜っ」 「なッ!////」 エースは急に立ち上がり、ゆいを胸に当てて頭を撫でる。 ← | → |