幸せいっぱいに囲まれて(4/6) 「なぁ、マルコ性別とかもわかるのか?」 「あぁ、うまくうつればねぇい。 この前診たときはしっかり隠れてて見えなかったんだよい。」 そう言うと一生懸命にモニターを見ながら、お腹の上の機械を動かしていた 「あっ・・・・・・!」 「見えたのか?!」 あたしとエースはモニターに写る赤ちゃんを必死になって見つめた。 「女の子だよい。ほら、男の大事なもん写ってねぇだろい。」 エースはにっこり笑いながらあたしの手を握ってくれた。 診察も無事に終わり、病院を出た。 帰る間ずっとえーすはずっと手を繋いでいてくれた。 「女の子だってよ。*****に似て可愛いかなぁ。」 「でも、女の子ってパパに似ると美人になるって聞いたことあるけどね。」 なんて会話をしながらマンションの前に着いたんだけど、そのもも素通りしてしまった。 「エース帰らないの?」 「せっかくだから、出かけようぜ。俺、見てぇもんあるし。」 ずっと仕事が続いていて、疲れてるはずなのにそんな姿も見せずに、彼はそのままあたしを連れて歩き出した。 彼に連れて行かれた先にあったのは、ベビー用品が売ってるお店だった。 「エース、見たいものって・・・・・」 「おう、まだどっちかわかんなかったからよ。性別がわかったら2人で買い物しようって決め てたんだ。」 幸せが零れ落ちるくらいの笑みであたしの手を引き、お店の中に入った。 「エースこんなお店チェックしてたんだね。」 「当たり前だろ。俺だって父親になるんだぜ?*****にばっか任せておけねぇだろ。」 嬉しかった。 赤ちゃんができた時も、すごく喜んでくれたけど、こんなふうにずっと気遣ってくれてる彼にすごく嬉しく思えた。 ← | → |