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こんばんは、ごめんね(2/3)









狭めのシャワールームに入れば、ゆいを下ろしてやる。



「平気か?」



「だいじょーぶっ、」



「…本当に大丈夫なのかよ、」



ヘヘッと笑みを作るゆいへとシャワーをかけてやる。


ピクッと最初だけ跳ねたゆいの躯は今、敏感なのだと思った。



軽く流せば、排水溝へと一緒に流れていく白い液体。

自分がそれを不意に見ていたからか、ゆいもそれに気付いて顔を曇らせる。



「……できないね、」



その一言だけで、何が言いたいのかがよく分かった。

そんな話をする時は、ゆいの顔は決まって曇ってしまう。


似合いもしないその表現に言ってやる。



「まだ早ェだろ?」



「でも……っ」



どうしてだか、その様子は少し焦っている様に見える。



何を焦る必要があるのか、何を不安がる必要があるのか…


昼間は"わたし、お母さんになれるかな?"なんて真逆な悩みを冗談半分で突き付けてきたりするくせに。


どんどん泣き出しそうな顔になっていくゆい。


理由も解らずにゆいが泣き出してしまうのが怖くて、シャワーを止めてゆいの頬に手を添えた。



「どうした?」



「…何でもない、」



「嘘がもうちょっと上手になってから嘘吐こうな?」



「……だ、だって…その、ね。
エースが嫌いになっちゃうから…。」



「俺が?
…何を?」



「わたしのことを、」



…何を言っているのか。


あんなにさっきまで求め合ってた、それでもゆいは突き放されるかもしれない、なんて心配をしているのか。


何でそう不安になる?



「どうして?」



優しく聞いてやれば、ゆいは口ごもるのを迷う。

二人っきりなのに、尚且つ何も纏っていない自分達に今さら隠すようなことがあるのだろうか。



不思議なほどに言葉を詰まらせているゆい。


真っ直ぐ下へと下っていくその視線。

まだ涙は零れてはいないが、さっきまでの行為の最中に濡れたままの長い睫毛に妙に敏感になる。


震える出した唇は、少しでも何かを言おうと思っていることを必死に伝えているのだろう。





 







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