だれのもの?(1/6) 不愉快極まりない。 そう言いたいところだが、今は少し寂しい。 「…エースも男の人だしね。」 只今、エースの部屋に一人でいるゆい。 エースがシャワーから部屋に帰ってくるのを待っているところだ。 ふと、エース部屋を見渡した。 いつもと変わらない、少し寂しい色合いの部屋。 だが、嫌いではない。 見慣れた部屋に、仄かにエースの匂いが心を落ち着かせる。 だが、見慣れない紙袋が目に留まった。 昨日まではこんな袋、なかったのに。 きっとナースさんの差し入れか何かかな? 怪しげに紙袋に被さる布を剥いでみる。 ゆいはチラッと見えたモノに直ぐに目を背け、手を引いた。 「エース…」 不快そうな目で紙袋に再び目をやるゆい。 所謂、エッチな雑誌やらが入っていた。 「…私じゃ満足なんて、しないよね、」 何をいまさら… そりゃ、雑誌に載っている女の人の方がナイスバディできっとエースを満たすに決まっている。 だが、見ないほうが良かった… せめて、私の目の行くところには置いてほしくなかった。 こんなに魅力の無い身体を抱かれるのが恥ずかしいぐらいだ。 「…はぁ。」 一つ、溜息をついた。 それと同時に部屋のドアが開いた。 まずい、エースにエッチな雑誌を見てしまった事がばれてしまう。 ← | → |