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未来さえも塗り替えようとした(4/4)








「どうして?
戻って一目でもサボに会いたいって思わないの?」



「思わねぇよ、そんなこと。
サボが大事な兄弟でもな。」



そう、大事な兄弟でも?

強い意志がある…エースの瞳はそう訴えているみたいで。


一度向き合ったら、逃げない…とか、格好いい拘りがここにもあるのだろう。



「俺はな、後悔しないように生きていくって言っただろ…?」



覚えてるか、あの日…?


サボがいなくなった日。

…もちろん覚えてるよ。
ルフィを…そしてわたしを置いて死なないって約束してくれた日のこと。


頷けば、エースは続けた。



「たとえ話はよしとしても、本気で過去に戻るなんざ俺はごめんだ。後悔してるって認めてるのと同じだろ?」



「まあ…そうなるね、」



「タイムマシーンとかで過去には縋り付きたくなんてねぇしな。」



確かに、エースは「あの頃に戻れたらなぁ、」って言ってるよりも、「まあ明日があるしな!」って言っている方が似合っている。

エースらしい考え方だ。


もしサボの運命を知っていて過去に戻っても、
助けられなかったらあの頃以上に大きな屈辱を受けるかも知れない。

必ず、なんて結局無かったりするしね。


だからって、タイムマシーンでサボに会いに行きたい?

…例えば神様にそう言われたら、きっとわたしは会いに行くと思うけど。



「タイムマシーンってやつに興味はあるけどな?」



「え、あるんだ?」



「まあな、でも俺はきっと完成お披露目会ってやつで、タイムマシーンの第一号を燃やしちまうかもな。」



「わあ、悪趣味…っ!」



「まあ第二号だって第百号だって、何回だって燃やしてやるけどよ。」



「乗る前に?」



「もちろん。」



ニッと笑い、大きな手で頭を撫でてくれる。


ああ、やっぱり好き。
この手だとか、この声のトーンだとか…


こんなに大きくなったエースだから、小さい頃よりわたしの心をエースが夢中にしてしまうのかも知れない。


大きな手に自分の手を重ねる。



「やっぱりいいや、」



「ああ?」



「タイムマシーン。
…わたしは今がエースとのベストな形だと思うしね。」


たった今、この時を過ごしている時間が一番いい時間で。

これが最高だと思うのなら、過去に戻ったってこれ以上の仲なんて存在しないし、もしかしたら悪くなってしまうこともあるのだから。


重ねた手をくいっと引っ張られて、無防備な身体は望んでエースの胸へといく。



「そうだろ。
ガキの頃の思い出だって、嫌な思い出だけじゃねぇんだし。」



「うん。」



まあ、これがエースなのかも知れない。

ぎゅっと抱きしめる腕の力が強くなれば、ここにいる自分たちが一番いい道を辿った2人なのだと一層感じた。















「サボがもし生きてたら……」



「生きてたら?」



「………いや、なんでもねぇ。」



「?」



「(サボにゆいをとられてたかも、なんて言えねぇよ。)」






end
Loving!Love!Loved!様の
「Love4」より









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