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拾われなかった欠片の話(4/4)








さっき変に目が合ったのは、ゆいが大体何を思いながら自分を見ていたのかが分かったエース。

ゆいの手を解き、後ろに向き返る。



「ゆいは俺と一緒に長生きするんだ、死ぬ時のことを考えるなんざ何十年も早ェよ。」



「一緒に…?」



「おう、もちろん。」



頷きながら返事をしてやれば、微かにゆいの口元が緩む。


これは相当嬉しいんだな、とこっちまで嬉しい気持ちになる。



「それにな、ゆいみたいな女は長生きするもんだ。」



「な、何を根拠にっ」



「男のカンってやつだ。」



「男のカンはともかく、お前のカンは信用ならんからな。」



「お、お前…酷ェこと言うな?
俺のカンは当たるぜ?テストの回答の80%がカンだからな。」



「…厭味だなッ」



「はは、けど説得力はあるだろ?」



「………っ」



不愉快な事実を突き付けられた…そんな感じが顔に滲み出ている。


実際に勉強量はそこそこのエースにがり勉のゆいが負けている時点で説得力はかなりあるのだろうが。


勉強コンプレックスも薄れてきたゆいにダメージがないわけでもなく。



機嫌を損ねてしまったのかもしれない、そう軽く思ったエースは一言だけ付け足した。



「まあ俺も長生きするっぽいから、当分は一緒だな。」



表情を和らげたゆいを見るや否や、ぎゅっと抱きしめてやった。







end








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