俺とお前のさがしもの(3/4) ゆいを探しに甲板までやってきたエース。 名前を呼ぶものの、返事は来ない。 「(何かあったのか…ゆい)」 見慣れない状態の部屋を思いだし、エースは足を早める。 すると、足元に太陽の光りを反射し、光るモノを見つける。 「…これ」 拾えば、見慣れたピアス。 それは紛れも無く、エースがゆいにあげたピアスだった。 ふと、顔をあげた。 ここは船尾。 手すりはゆいが余裕で越えられる高さにある。 まさか… と思ったが、海にチラリと視線をやる。 "フラれたのか?" よりによって、サッチの冗談が頭に浮かんでくる。 そんな筈、ねぇ。 じゃああの散らかった部屋は何だ? 拾ったピアスを見つめるエース。 どんどん顔が真っ青になっていく。 「…」 ヤりたくないのに俺とヤって、むしゃくしゃして部屋を散らかして、俺との想い出の1つであるピアスを置いて海に消えた… 「…ゆい」 「エース、それ…!」 後から、今一番聞きたかった声が聞こえてくる。 振り返れば、 「ゆい…!」 ゆいは何かを言いた気にしていたが、そんな事構わずにエースはゆいを抱きしめた。 ← | → |