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あなたの胸に沈みたい(3/3)








さっき誰かがこっち見てたのに…まだ見てるのかな?
恥ずかしい。


そう感じてられるのも最初の方だけで、どんどんエースのキスに頭が真っ白になっていく。


力が入らなくなった身体を壁が支えているのか、それともエースの温かい腕が支えているのか…



唇が解放されれば、そのままエースの胸に閉じ込められた。



「俺のこと考えて着てくれたんだったら、ちょいと惜しいなあ。」



「?」



惜しい?


もっと好みがあったのだろうか?

完璧にエースの好みだと確信してまで着たドレスなのに、少し残念になる。



こんなに恥ずかしい思いまでしたのに。
エースが満足してくれてないなら、無意味に等しいのに。



だがエースの口からそんな言葉は出なかった。



「…そのドレス、すげぇ好きだけどよ…今度から部屋着にしろよ。」



「へ、部屋着ッ!?」



思わず繰り返してしまった、引っ掛かる単語。

おう、と笑いながら頷くエース。



「部屋着じゃねぇと、さっきみたいにゆいの躯をヤらしい目で見る野郎が焦げてくからな?」



そう言えば、窓の方をエースは向いた。

それを見て、まさか…とゆいは息をのんだ。



先ほどからこちらを見ていたカーテン越しの影。



カーテンが裏側から燃えはじめると、慌てた叫び声と悲鳴が聞こえる。



「もう……」



「ヤらしい目でゆいを見る野郎が悪いんだよ。」



「ここにもいるけど?
…ヤらしい目の野郎。」



そう言ってエースの鼻を撮んでやれば、そのせいで少し変わったエースの声が聞こえる。



「ヤらしい目でヤらしい事をおねだりするゆいも負けてねぇと思うけどな?」



「っ///…し、してない!//」



「そうか…今晩は愉しくなりそうだなあ?」



ゆいの腰を引き寄せ、横抱きに持ち上げる。

頬が赤く染まったゆいを抱えながら手すりに身を乗り出し、走り出す。



「早く帰りたいんだったよな、お嬢さま?」



「や、やっぱりいい!//」



「んなこと言うなよ。
こっちはその服といい、空腹感といい、色々我慢してんだぜ。」



「…帰ったらマルコに言い付けてやるっ!」



「ああ、俺と今からどんな夜を過ごしたのか言ってやれよ。」



もういい…


ニヤッと笑うエースに少しも勝てる気がしないゆいは、諦めたようにエースの胸に顔を埋めた。







end
Loving!Love!Loved!様の
「大人の恋愛」より










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