俺とお前のさがしもの(2/4) 「ゆい〜、どこだ〜」 エースがこうしてゆいを探しているのは、もうクルーにとっては日課だ。 「なんだ、また探してんのか?」 笑ってこっちにやって来るサッチ。 そんなサッチに食らい付く様にに聞いた。 「サッチ、ゆい見なかったか?」 「見てねぇけど。 なんだ?今日は熱心だな。フラれたのか?」 「んな訳あるか。」 「喧嘩か?」 「なんなら、ゆいが見付かったらお前の目の前でキスしてやるぜ?」 「いや、結構だ。 まだ俺はゆいが汚れてない事を信じてるんでな。」 「生憎だが3時間前に2ラウンド、ヤったところなんだよ。」 「うわ…昼間っから盛りやがって。」 超ご機嫌な笑みを浮かべるエース。 それに苦笑混じりの溜息を溢すサッチ。 おっといけねぇ、 そんな事よりゆいだ。 「じゃあなサッチ、 見つけたら言えよ。」 「かもな。」 「言えよ!」 「はいはい。」 忙しなく去っていくエースを見て、サッチはボソッと言う。 「ほんと、ゆいの事になると火拳のエースもただの仔犬だな。」 サッチは一人、鼻で笑いながらその場を後にした。 ← | → |