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エープリルエース(1/4)








暖かい陽気が窓から差し込む、とある春の日の朝。


夜は2番隊が不寝番だったので、ゆいは久しぶりによく眠れた。



だが、いつもより冷たいベッドには違和感を感じる。

少し物寂しい気がする。



「…早くエースに会いに行こ。」



そう思ったゆいは着替えて身嗜みを整えると、部屋から出て行った。



今日が何の日かも知らずに。








お腹を空かせたエースはきっと食堂にいるはず…!

ゆいは何の迷いもなく食堂へと向かった。


混み合った食堂の中でもエースを見つけるのは容易い。

彼は何かと目立つから。



だが、今の食堂にはエースの姿がどこにもなかった。


もしかしたら不寝番だったから甲板で寝てしまっているのかもしれない。

エースとしては、よくある事の1つであった。



ゆいはエースのいない食堂から出ようとすると、中から呼び止められた。



「よお、ゆい!」



サッチが椅子に座りながら、こちらに手を振ってくれている。

ゆいも手を振り返す。


エースは…後から食堂に来てくれるよね。

そう思い、ゆいはサッチの目の前の席にお邪魔することにした。



「ああ、2番隊だったな、今日の不寝番。」



「うん。
エースのことだから、お腹すいたら食堂まで来るかなって。」



「はは、確かにな。
あいつが1食でも抜けた日なんてねぇからな。」



食わなきゃ病気か?って疑うぜ。とサッチは笑う。

その話に頷いてしまえるゆいは、楽しそうだ。


クルーはそれを見て、自分も…とゆいとサッチの周りの席に座る。



いつの間にか、席が賑やかになっていた。

そんな中、サッチは話題をコロッと変える。



「そんな事よりゆい、今日は大変な日なんだ…知ってるか?」



「大変な日…?」



ゆいは頭を回転させて何の日かを考えるが、答は一向に出てこない。


さっきまで笑っていたサッチの顔が真剣になってくる。

ゆいはそれを見て、焦る。



何かとてつもない日なのか…

凄く真剣なサッチの顔に、息を飲む。



「…ゆい、心して聞けよ。」



「う、うん。」



怖い。
今日は一体、何の日なんだろう…


どうしてサッチだけじゃなくて、みんなの顔までもが真剣なんだろう。


もしかして、知らないのは自分だけ?

そんなに有名な日を…?




 







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