俺とお前のさがしもの(1/4) 何の躊躇いもなくゆいの部屋の扉を、ノックもせずに開くエース。 だが開けた瞬間、 入るかどうかを躊躇った。 「なんだよ、これ…」 やけに散らかったゆいの部屋。 つい1時間前まではこんな状態ではなかった。 床には服やタオル、写真やビニール袋などか足の踏み場のない程散乱していた。 だが部屋は静かで、ゆいがいる気配もない。 「ゆいのやつ、何してたんだ…?」 潔癖症、とまでは言えないが、部屋はいつも綺麗なゆい。 これは大変な事があったに違いない、と、エースはゆいを探すことにした。 「ここにもない… どうしよう…っ」 ナース専用の風呂場の脱衣所で一人、焦っている少女がいた。 「何でこんなことになったんだろ…」 思い返せば、最後に見たのは昨日の宴の時である。 急に何かも解らずパパが「今夜は宴だ、グラララ」とか言い出たした。 だから、エースと一緒にお酒を飲んで… その時はまだあった。 「…飲み過ぎちゃって、覚えてないや…」 昨日、どこで記憶が切れたかも曖昧だ。 「エースに聞く訳にもいかないしなぁ…」 はぁ、と溜息をつく。 できるだけエースに見つからない様に、船内を探しに出た。 ← | → |