見せかけ草食系(5/5) 「草食系男子を演じてたんだ…」 確かに、エースが演じるにはキスまでが限界だろう、と思った。 超が付く程、肉食系なエースには。 毎晩、セックスしたがる草食系男子はいない。 寧ろ、それは草食系男子とは呼ばない。 そんな事を考えると、ふと企んでしまう。 からかわれたお返しに、意地悪したくなる。 「エースは草食系だから、今晩は何にもないね。」 は?とエースの顔が歪む。 やっぱり今晩も肉食系でいるつもりだったのだろう。 笑えてくる。 だが、エースはすぐに意地悪そうな顔をゆいに向けた。 やばい、と それに息を呑むゆい。 「…だけどお前、言ったよな。 いつも俺が草食系は嫌だって。」 耳元で低く囁かれる言葉に、ビクッとなる。 反則だ。 こんな草食系男子がいるだろうか。 「い、いつもはね…偶には良いの!///」 「俺はよくねぇ。 ゆいからキスしておいて。」 「違う、あれはだって…んんっ」 噛み付くようなキス。 結局、 填められたのはゆいだった。 次の日、サッチを睨むゆいがいた。 「エースに草食系なんて教えたの、だれ!!!」 end ← | → |