見せかけ草食系(2/5) エースの横に座れば、本はしっかりとした本で、凄く字の小さい難しそうな本だった。 「…で、どうしたの?」 エースが違うと、いつもより妙にそわそわする。 首を傾げてエースを眺めるゆい。 そんなゆいを引き寄せ、顔を近づけるエース。 思わず目を瞑るゆい。 だが、期待されたこの先はやってこない。 ますます違和感を感じるゆい。 「エース?」 「…ゆいがしろよ。」 「…え?」 困惑するゆい。 いつもキスはエースからするくせに、今日は何の日なんだ。 それもエースは楽しそうな表情を隠しているつもりなのだろうが、ゆいには解る。 からかっているんだ。 「ゆいがキスしてくれねーんなら、キスしねぇ。」 眼鏡越しの目が合う、 近い顔に、身体が熱くなるのがわかる。 からかわれて悔しいけど、エースとキスしたいと思ってしまう。 必死に悩んだ末、 ゆいはエースに唇を重ねた。 「っ……んん!」 急にギュッと寄せられ、エースの舌が押し入ってくる。 さっきまでは引いていたくせに。 エース自信は、いつもみたいに器用にゆいの舌と絡んでくる。 いつもと同じ、上手なキスだ。 ← | → |