ドーナツ*




半分かけたドーナツが
真っ白なお皿の上
しくしく泣いてる
さっきあなたと喧嘩した
私みたいに


歩く速度は早すぎて
近付くことさえできずに
あなたの背中 眺めては
悲しくなって俯いた


あぁ こんなはずじゃ
なかったのに
あぁ もっと楽しかったはず
半分だけのドーナツも
本当はあなたと…


とぼとぼ歩く家までの距離
楽しかった日々思い出す
「帰って来てよ、早く」
ぽつり、呟いて黙り込んだ


いつもふたりだったあの道を
今日はひとりで歩いている
意地っ張りって思っても
素直になれない私が大嫌い


半分かけたドーナツが
私を攻めるように
めそめそ泣いてる
心が痛い叫んでる でもね
謝れないんだ


もし この世界のどこかで
あなたとふたり ふたりだけで
生きることになったら
いつかまたこんな日が
来るの?
そして仲直り 出来る日が
来るの…?


いつの間にか眠りこけて
ふと気が付くと
真っ暗なはずの部屋に
あなたの温もり感じて
急いで起き上がった


半分かけたドーナツは
今じゃどこにも見当たらない
代わりにあなたの口が
もぐもぐ動いて、
私に笑いかけた

「 ごめんね 」



2009.xx



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -