恋愛Beginner | ナノ



『――あ、きた』


新着メール一件 白石くん。形だけとはいえなんだか緊張する。そんな気持ちを抑えてゆっくりメールを開いていく。


《約束通りメールしたで。なんや、緊張するわ……》


白石くんでもそんなことがあるんだ、と思うと自然と頬が緩んだ。


《私もだよ。部活どうだった?》


……なかなか彼女っぽいのではないだろうか。なんて自画自賛していたら白石くんからメールが返ってきた。白石くんってメールなれしているのかな。


《ぼちぼち、やな。そや、1つ聞いてもええ?》


どーぞ、と返すと思ったより早く返ってきた。


《なんで俺と付き合いたいと思ったん?》


ああ、聞かないでほしかったなあ。これから考えていくつもりだったのに。とりあえず、時間をかせがなくては。


《逆に白石くんはなんでokしてくれたの?》


とりあえずは大丈夫だろう。こんなとき由紀だったらすらすら出てくるんだろうなあ。こんなこと思いつくくらいだし。確か颯奈も彼氏いるって言ってたな……なんか悲しくなってきた。
そういえば白石くんからの返事がこない。……なにかあったのだろうか。

結局白石くんからメールが返ってきたのは10分後だった。


《メールじゃ長くなりそうやから今度直接言うたる!というわけで日曜日どっか行かへん?》


長くなるってどれだけ私に言いたいことがあるのさ!まあ私も色々言いたいことがあるが……。 とりあえず返信。


《じゃあ私もその時に言うね。日曜日ね。大丈夫だよ。楽しみにしてる。》



今日はなんだか疲れてしまった。そのせいか白石くんからメールが来ているとも知らずに携帯を片手に眠っていた。


  



 モドル