本当暑い。
最近は秋だと思えない程日差しが強く暑い。
おまけに部活帰りで疲れているのに腰回りに一之瀬が抱き着いて来ているからもっと暑い。もう色々あわせたら沸騰しそうなぐらい暑いし汗がさっきからとまらないし喉渇いたし……。最悪だ。
自動販売機とかないかな?と探しながら帰り道を歩いていると、運よくあった……よかった。
俺は急いで財布からお金をだして、少し迷ったが新発売らしいレモン味のドリンクを買った。つくづく俺は新発売とか限定品とかに目がないなあ。
とおもいながら、二口ぐらいのんで喉を潤し、鞄にしまおうとしたら後ろから声が聞こえた。
「ねぇ、それちょうだい」
「ん?」
返事をする前に手に持っている飲みかけのドリンクを一之瀬に取られた。
ゴクンといい音を鳴らして、一口。
「ありがとう、美味しいねそれ」
と言ってドリンクをもとあった手に戻して来た。
え……ちょっとまてよ?
今のって間接キス……。
間接キスと思ったら地味に恥ずかしくなって顔があつくなるのがわかった。
「あ、もしかして間接キスとかおもった?」
「ちがっ」
俺が顔を赤くさせていたせいで一之瀬にばれた。
「じゃあなんでそんなに顔が赤いの?」
「お前がさっきまで欝陶しく抱きついてたから暑いんだよ」
「ふーん」
なんだ、残念。
と言って一之瀬は暫く無言のまま帰り道を歩いて行く。
少しその先を期待していたのになんか残念だなって思った。
何考えてるんだろ、自分。
すると突然一之瀬は前で立ち止まって、まっすぐ俺をみて、
「ねえ、半田今残念って思ったでしょ?」と一之瀬は俺が心で思っている事を全てわかっているかのように話してきた。
「じゃあつづき、しようか」
俺は反論しようとしたが言葉は一之瀬の中に消えていった
間接キスのつづき
(20100808)