あの頃とはもう違う。
俺が毎日見ていた、あの空はもう見る事のできない空なんだ。
今は白いなにもないただの天井だ。
チームのみんなにどんどん追い抜かされて知らない人が増えていく……
皆、俺の事なんて頭にないんだろうな。
そんなことを考えていると涙が頬を濡らしていた。
そうすると、松野が急に上から覗きこんできた
寝てたんじゃないのかよ
あの寝息は嘘だったのかよ、と考えながら
泣いてる姿なんて見られたくなかったから咄嗟に腕で顔を隠した。

「隠したって無駄だよ半田」

「どうせ俺をまた馬鹿にする……っ……んっ」

俺が最後まで言葉を喋る事を阻止されたように口を塞がれた。
長い間重ねるだけのキスをしていて苦しくなってきたから松野の胸を少し叩いたら簡単に口を話してくれた。

松野はいやらしく、ペロッと舌なめずりをして話してきた。

「半田……なにがあったって僕たちは一緒だよ。だから寂しいがらないでよ」

くさい言葉だけど何故か温かく感じられた。
そんな事言わないでよ。
また泣きたくなってきたじゃないか。

泣き顔を見られたくないから俺は松野に顔を埋めてありがとう、と小さく呟いた。


たまには
(泣きたくなる時だってあるんだよ)

(20100808)



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