仕事を終え、

部屋に戻った鴫は鵲に声をかけた。


「懐かしい夢を見たんだ」

「うん」

鵲にはそれがいつのことなのか直ぐに分かった。

鴫もそれを分かっているのだろう、そのまま続ける。


「あの時のことを…お前は私に謝ってばかりいたが…」


「うん」

「私はあの日々も嫌いではなかったんだよ」

「そっか…」


「私がお前と死に別れた時…」

鴫は一瞬震えた。
あの時を思い出したのだろう。


「鴫?」

「あの刹那、お前の声が、聞こえた気がしたんだ」


「そう…そっか…」

「だから…寂しくなかったんだよ、鵲」

そう告げると、鴫は鵲の腕の中に、

愛しい人の胸に

飛び込んで行った。




鴫は闇の中にいる。

鵲が寂しくならないように


鵲は闇を纏う。

鴫を失わないように



互いに思い愛し合う


それは永久に続くと信じている



そして、あの不粋な死が


二人を別つことももう…ない



ずっと一緒、死ぬ時も一緒


それが二人の選んだ物語の結末だった。



―conclusion―







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