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「侵入者は殺す…誰であっても」
鵲は街を、彼を取り戻した。
しかし、繰り返される毎日に彼は疑問を持ってしまっていた。
最近は思案に耽り、“あの時”を必死に思い出そうとしている。
鵲は苛立ちと焦燥感の中にあった。
闇を使うということは、神経を磨り減らし
思考を狭めていくこと
そんな極限に近い中、
鵲の街に入り込む者があった。
鵲の苛立ちなどお構い無しに
それは、鴫に出会ってしまっていた。
†
「ここは死人の街かのう?随分強い力の持ち主の様じゃな〜」
小さなローブを着たような少年を鴫は見つけた。
繰り返される毎日の中で初めてみたもの
それに声をかければ何かが変わると感じた
「あの、貴方は…どこから?」
「ふむ?儂か?儂はのう…遠くから来た」
「…そうか…」
「お主はこの違和感に気付いておるようじゃな?」
「え?…まぁ…」
鴫はこの怪しいナリの少年を信じるかどうかを思案していた。
しかし、話をする限り分かっていてここに来ている様な気がした。
そして、自分は消えるのだろうと漠然と感じていた。
「鴫!!!」
鵲が凄い形相で鴫に駆け寄った。
街がぐにゃりと歪んだ気がした。
「こやつがこの闇の主か…」
小さな少年は鵲を指さしながら呟いた。
指をさした瞬間、街が弾けて消えた。
「えっ?!」
そして、街が消えた瞬間鵲は鴫を力一杯抱きしめた。
「ほう…お前にとってはそやつが要か…」
「…鵲?これは…これはどういう…」
鵲は悲しそうに鴫を見つめる。
「鴫…どうして…どうしてあのままで…あのままではいけなかったの?」
鵲は鴫を抱きしめながら鴫に問いかける。
「でも…分かったんだよ…あいつがいけないんだろ?」
鵲は小さな少年を睨み付ける。
闇がくるくる回り出す。
「鵲?おい、鵲!鵲!!」
鴫の叫びだけが瓦礫の街に児玉した。