「侵入者は殺す…誰であっても」


鵲は街を、彼を取り戻した。

しかし、繰り返される毎日に彼は疑問を持ってしまっていた。


最近は思案に耽り、“あの時”を必死に思い出そうとしている。


鵲は苛立ちと焦燥感の中にあった。

闇を使うということは、神経を磨り減らし

思考を狭めていくこと

そんな極限に近い中、
鵲の街に入り込む者があった。


鵲の苛立ちなどお構い無しに

それは、鴫に出会ってしまっていた。





「ここは死人の街かのう?随分強い力の持ち主の様じゃな〜」

小さなローブを着たような少年を鴫は見つけた。


繰り返される毎日の中で初めてみたもの

それに声をかければ何かが変わると感じた


「あの、貴方は…どこから?」

「ふむ?儂か?儂はのう…遠くから来た」

「…そうか…」

「お主はこの違和感に気付いておるようじゃな?」

「え?…まぁ…」

鴫はこの怪しいナリの少年を信じるかどうかを思案していた。
しかし、話をする限り分かっていてここに来ている様な気がした。


そして、自分は消えるのだろうと漠然と感じていた。


「鴫!!!」


鵲が凄い形相で鴫に駆け寄った。

街がぐにゃりと歪んだ気がした。


「こやつがこの闇の主か…」

小さな少年は鵲を指さしながら呟いた。


指をさした瞬間、街が弾けて消えた。

「えっ?!」

そして、街が消えた瞬間鵲は鴫を力一杯抱きしめた。

「ほう…お前にとってはそやつが要か…」

「…鵲?これは…これはどういう…」


鵲は悲しそうに鴫を見つめる。


「鴫…どうして…どうしてあのままで…あのままではいけなかったの?」

鵲は鴫を抱きしめながら鴫に問いかける。


「でも…分かったんだよ…あいつがいけないんだろ?」

鵲は小さな少年を睨み付ける。


闇がくるくる回り出す。


「鵲?おい、鵲!鵲!!」

鴫の叫びだけが瓦礫の街に児玉した。




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テーマ「人外ファンタジー」
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