鵲は辿り着いた。

街があった場所に…

焼け焦げた街の残骸に


そしてすぐに…“彼”を探した


彼はあの瞬間見たままの姿だった。


手を伸ばし、

悔し涙を浮かべ、私を求めていた

あのままだった


何故、何故こんなことになった

私はただ、彼と共にありたかった


人は必ずいつか死ぬ

だが、何故…


彼はこんな死に方をしなくてはならない?

どうしてこんな…

こんな悔しそうな顔のまま…


死 な ね ば な ら な い ?



「間違いだ…こんなの…間違っている」

鵲は自分の周りで真っ黒な闇がくるくる回っていることに気付いた。


「…そうだ、これは間違いなのだから…消してしまえばいい…」


鵲は冷たくなった鴫を抱いて立ち上がる。


「全て…全て嘘だ!認めない、鴫のいない世界なんていらないんだ…だから…」


“鴫のいる世界に帰る”


真っ黒な闇が街を覆った





私は…夢を見ているのだろうか?

それとも私は、いわゆる天国とか言う所に
着いたのだろうか?


「鴫、どうしたんだい?」

バンッと誰かに背中を叩かれて、我に返った。
そして、今まで考えていただろうことが思い出せなくなってしまった。


「いや、あの…今日はいつだ?」

「××××」

答えた相手は、何故かとても会いたかった彼だった。


「え?…そうだったか?」

「何言ってんのさー?疲れてるの?大丈夫?」

鵲にヒョイと担がれてそのまま連れていかれる。

「ばっ、降りる、歩ける!!!」

「先生がお通りだよー」



いつもの街

だけどどこか違和感のある街

私はここに、帰ってきてしまったのだ。







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