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あの日、私は最愛の人に別れを告げた
勿論陳腐な別れ話なんかではない
永遠の別れだった…
そのはずだった。
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その日、私は仕事中に鵲に呼び出された。
彼は、2メートルはあるだろう身長に
優しい眼差しを持つ好青年として
街で行列の出来る料理店を営んでいた。
そして、私は彼に呼び出された内容なんて
手にとるように分かっていたのだった。
「鴫、これから急ぎの仕入れで××に行って来るねー」
「では、2・3日帰れないな」
「うん、だから私がいない間に浮気したり寂しさで私の服を抱きながらすすり泣きしないでね☆」
「うん、二度と帰って来るなよ貴様は」
「そんな冷たい!!愛してるよ、鴫!」
そう、不本意ながらも私はこいつと付き合っていたのだ…不本意だが。
「はいはい、私も多分愛してるから早く行って来いよ。」
「うん…行って来る…」
「どうしたんだ?…鵲?」
「愛してるから…鴫…」
唇が重なるとき、
鵲は悲しそうな苦しそうな顔を
していた様に思う。
もしかしたら、
胸騒ぎがしていたのかもしれない。
私を永遠に失うということに…