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「あれ?何だろ、あの真っ黒いの!」
明日香はやたらと真っ黒いものがふらふらと動いているのを見つけた。
それはゆっくりと路地に入るところで、よく見ると人らしき手が見える…
明日香は反射的にそちらに駆け出した。
「え?どうしたの、明日香?」
「あ、そっか、あのね!ちょっと行ってくるー!!」
「あ、明日香〜〜?!」
路地裏に続く真っ暗な闇
絶対普段とは違うその様相とは対称的に
明日香の目はキラッキラ光っていた…
「もー…明日香ったら…」
残された友人は困った顔をしながらも
わりといつものことなので
携帯を取り出しながら、
彼女とは反対方向に歩き始めた。