5
闇に穢れた馬酔木は
椎の首に思いっ切り力を込めた
―ゴキンッ
「あっ…がっ……」
椎は言葉を出せずに
口からは血を吐きながら
ヒューヒューと苦しそうに喘ぐ
普通ならお陀仏だろうが、
椎はその程度では死なない。
「…っ…ヒュー…あっ…しぃ…ぐっ?!!」
しかし、馬酔木は椎の様子なんかお構いなしに次々と腕やら足やらの骨を折り始める。
『流石にやり過ぎ!治らなくならないよね?大丈夫だよね?』
わりと呑気に構えてる椎だが
闇の能力面での限界が
近づいていた
―ふわり
木蓮の花が散り始めた
「…っ…ぁ…ゃば…っっ」
椎は焦り闇の制御にかかるが
このままではもう保たない
『限界か…な…ヤバい…これ以上無理すると意識も持ってかれる…ヤバい…マジヤバい…』
木蓮は静かに散りゆく
ふわり、ふわりと花が散る
しかし、その花びらの中に
懐かしい気配を感じ取った椎は
「…ぉ…ぃょ…」
小さく笑みを浮かべた