「…っ…やめろ…もう…やめろ!…やめ……ろ……」


馬酔木は
その永遠のような

繰り返しの中で

声が枯れる程に
狂おしく叫び続けていた



その先に
闇を湛えた子供が笑んでいた


「くすくす」


馬酔木はふと、
いつのまにか聴こえる
その小さな笑い声に気付いた


顔を上げると先程の子供が
微笑んでいた


「…っ…何がおかしい…」

「貴方が弱いから」

「何だと?」


子供は馬酔木を見て嘲笑う

馬酔木はその笑みに何故か
苛立ちと焦りを覚える


それを知っているかのように
子供は言葉を続ける

「この程度で恐れるの?」

「…違う!」


「自分はもっともっと酷いくせに!今更怖いの?苦しいの?」
「煩い!黙れっ!」

馬酔木は叫ぶ
苛立ちと焦りが募る


何故…こんな餓鬼相手に…


すると、ふとその子供が指をさす


「あんたさー、その汚い手で彼に触れるの?」


その子供が指さした先にいたものは…





「……あ…た、すく?」


伸ばした自分の手は
血まみれで


「馬酔木…いた…い…」


そして


目の前にいるのは


血まみれの 大事な 彼…




―ブツン―










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