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「…貴様…闇か…」


馬酔木は冷えきった声で豹変した霊慈に向かって声をかける。


「フフフフ、コイツはイラナイモノ。ソレはコイツ自身もワカッテイルコト!」

「…」


「ダカラオレのモノのにスルンダ!!!」


自分勝手な言葉を叫ぶ闇を馬酔木は鷲掴みにした。


「ヤツが死ンジマウよ?イイノカ?殺シチャウヨ?」


「それはない。貴様にそいつを殺すのは無理だ。」

「ソレはドウカナ?ケシチャウよ?」


霊慈の体を乗っ取った闇は自分を鷲掴みにした馬酔木の手を払い除け蹴りを入れる。


「…っ…貴様…」

「クククク、霊慈は弱い!ダカラオレのモノにナル!」


闇には馬酔木がよろけたように見えた。
その隙をついて馬酔木の首を締め上げた。

「くっ…かはっ…」

「苦シイダロ?悔シイダロ?死ンジマエ!死ンジマエ!!!」

もがき苦しむ馬酔木を見て、闇は自分が優勢に思えた。




しかし、



「…つまらない、茶番はもう止めた…」


馬酔木はそう言うと冷酷な笑みを浮かべ、
簡単に霊慈から闇を切り離した。


“ギャァァァァァア”


切り離された闇は痛みと驚きに悲鳴を上げた。

そして、次の瞬間


―ブシュッ


馬酔木によって消されてしまった。




「これが闇払い…」

加藤は初めて見た闇払いの光景に驚きの声を上げた。

「あれ?加藤さん初めてだった〜?」

倒れた霊慈を介抱しながら椎が声をかける。
「あ、うん…そうなんだ。」

加藤の驚く姿に白樫がクスッと笑いながら馬酔木に声をかける。

「馬酔木、力の制限はどうだった?」

「…雑魚相手なら問題ない。」

馬酔木のブスッとした声は相手の手応えの無さに不満を感じてるからであることを白樫は了解していた。

「そう、なら昼間に仕事をしても問題ないね?」

「そのようだな」


馬酔木はそう言いつつも霊慈が気になるらしく、その態度にまた白樫はクスッと笑ったのであった。




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