7
「街だね〜」
「懐かしいかい、椎?」
「昼間はねー!」
はしゃぐ椎と見守る白樫が言うように
今は昼間の街の中
顔合わせからは一ヶ月近く過ぎていた。
あれからしばらく馬酔木は体調を崩し寝込んでいた。
その間に色々あって、とりあえず世間的にも馬酔木の件は落ち着いていた。
そのため、馬酔木の調子を見るのと世間の反応を見るために昼間の外に仕事に向かうことになって、こうなったのでした。
「…やはり…」
「どったの、馬酔木?」
はしゃぐ椎とは対照的に神妙な顔つきの馬酔木がいた。
「…いや…昼間の方が、身体は楽だ…が、どうやら力もかなり制限されるようだ…多分…」
馬酔木は闇者の気配が薄く、対象が上手く捉えられないことと自分の闇も動きが緩慢になっていることを気にしているようだった。
「ま、光の中で闇が活発ってのもまた不思議な話なんじゃない?」
後ろから聞き慣れない声がして、馬酔木は驚いて振り返った。
「ちょっとちょっと、この間会ったじゃーん?忘れんなよなー」
すると、のんびりと阿相が馬酔木の反応を見て笑っていた。
その後ろから加藤が走って来るのが見える。
「すみません、遅れて!」
「大丈夫大丈夫〜☆」
今回はいざって時のために阿相と加藤も付いてくることになって待ち合わせをしていたのだった。