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この世界には、闇以外にも不思議なものは多々存在する
水鶏はそう言って説明を始めた。
「そうさのぅ、霊とか呪いとか精霊とか悪魔とか…そういったものは事実存在しているのじゃよ。闇はこれらの分類になるのじゃろうが、儂らにしか祓えない。だから厄介なのじゃよ。」
さて、何故水鶏様がそのような話をしているかと言うと、まず現在馬酔木達がいるのは床闇館ではない。
そこは馬酔木達の世界の日の本国(笑)警察庁のとある科であった。
そこは特殊心霊科、通称心科と呼ばれる科で表向きは特殊部隊と言うことになっている。
内容は科の名の通りである。
心科では、心霊現象や呪いと言ったものを扱う専門家によって出来ている。
しかし、心霊等信じられていないものを扱うため存在は公にされていない。
そして、彼らは霊や呪いは祓えるが、“闇”関連については祓う術を持たない。その為、床闇館と連絡を取り闇祓いを依頼することも仕事の一つなのであった。
そして、その心科への馬酔木の顔合わせの為に今に至るという訳でした。
「だから、私達は闇者を見つけたらその人の身辺調査をして、見張りつつ貴方達に連絡して、祓ってもらうの。」
水鶏の言葉に科の所長である李が続けた。
「馬酔木ちゃん、分かって貰えたかしら?」
李が女性の様に柔らかな微笑みで馬酔木に問いかけると、小さく頷く姿があった。
「じゃあ、改めて自己紹介するわね?私はここの所長の李です。それで、そっちが阿相」
李に名を呼ばれ、阿相が馬酔木の方を見て軽くあいさつをする。
「ども、阿相です。実質俺らがあんたらの担当なんでよろしくな〜」
「それで、こっちが加藤」
「…加藤です」
加藤は馬酔木を睨み付けながら軽く会釈をした。
「もう!ま、こんな二人だけど仲良くしてあげてちょうだいね?」
「…あぁ…」
馬酔木は一応返事をしたが、人知れずひっそりと体力の限界を迎えていたのであった。