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馬酔木の初めての仕事で発覚した事実
“馬酔木昔の記憶ないっぽいよ”
この事実は案外驚愕の出来事であった。
(鴫先生除く)
「馬酔木〜、いつから記憶ないの?大丈夫?僕のこと分かる〜?」
それ以来、祐は馬酔木の記憶の心配ばかりしている。
今も点滴中の馬酔木が動けないため、へばりつきながら馬酔木の心配をしている。
「今の記憶は平気だから…だから顔が近い」
馬酔木は覗き込んでくる祐の顔をやんわりと押し返しながらそう言った。
「馬酔木〜(泣)」
馬酔木は、祐の心配に対して申し訳ないようなくすぐったいような気持ちになりながらもこれ以上は構ってらんないとばかりに目を閉じた。
「祐、あまり馬酔木に心労を与えるな」
鴫先生に軽く頭を小突かれた祐は、
「はい、分かりました…」
しょんぼりしながら部屋から出ていった。
部屋に残された馬酔木はと言うと…
「祐…すまなぃ…ゴフッ!!!」
―馬酔木の心の叫び―
…祐に心配かけた挙げ句しょんぼりさせてしまった…悪いのは俺なのに…最低だ…最悪だ…絶対嫌われた…寧ろ死ぬしかない…もう終わりだ…
†馬酔木ストレス値99999(上限100)
Caution:ストレスにより吐血!
Caution:ストレスにより発熱!
Caution:ストレスにより胃潰瘍!
Caution:ストレスにより以下略!
馬酔木は満身創痍であった。
「ナニコレ、こんなのあり得なぁぁぁい!」
山茶花のあり得ないが館中に響き渡った。