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私は…
元々こんな派手な女じゃ無かった
寧ろ地味で、話下手で
彼氏なんていないような…
そんな平凡な女の子だった
でも、両親が借金を作り…
家族がバラバラになってしまった
私は一人になってしまった
大学進学を諦めなければいけなくなった
私の夢は絵本を書くことだった
成績もまぁまぁだった
希望の大学にだって入れた
でも、それを全て諦めなければ
い け な か っ た の
―ピシッ
それからは職を転々とした
性格が地味で、ルックスもイマイチ
それでは都会ではやってはいけなかった
「地味過ぎて見えなかったわぁ」
「この店員、不気味だからキモいよ」
「君…も少し明るくなんないの?」
「きめぇんだよ、ブスッ!!」
浴びせられる罵声
最早、心も身体もボロボロだった
そんなどん底の私を
闇は嘲笑いながら破壊に導いたのだ
「いやっ…止めて下さ…」
「お前さんみたいな地味な子はね、身体が地味だからいけないんだよー。痛くはしないから、ね?」
「てかさ、さっさとヤっちゃいましょうよ」
「そうだぜ、金はかばんに入れといたからさー」
突然数人の男に絡まれ、
有り得ない額の札束をかばんに詰め込まれ、
私はそいつらに…
ケ ガ サ レ タ
―ビシッ
闇が私を見て嘲笑った
“あんた弱すぎ、見ててウザイ”
闇は私を馬鹿にした
「あんたなんかに私の何が分かるって言うのよ!!!」
“アハハ、ムキになっちゃって。マジキモいよ、あんた?”
闇が私を包み込む
私は怒りが収まらなくなっていた
闇に向けて罵声を浴びせ続けた
今まで自分を馬鹿にしてきた奴らを
思い浮かべながら…
「…はっ…あんた…なんかに…」
いつの間にか辺りに静寂が訪れていた
そして、唐突に闇が語りかけてきた
“分かってる”
私は罵声を浴びせられると身構えた
しかし、闇は優しく声をかけてきたのだ
“本当は分かってるわ、貴方のことをずっと見ていたから…”
「え?」
“知ってるの、貴方は本当は優しくていい子。ううん、悪いのは最初からあのクズどもなのよ?”
闇は私を理解してくれた
初めて優しく私を慰めてくれた
「そ…うよ、私何にも悪くない!私はもっと幸せになれたはず!!」
私の心は軽くなっていった
“そうよ、悪いのは…”
『私を馬鹿にする全てのものなのよ』