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「完、じゃなくて仕事だよ、馬酔木!」
と、馬酔木にばっちり突っ込みを入れるのは椎であった。
「仕事だと?」
椎に突っ込まれたのが若干不服だったらしい馬酔木はしかめっ面だ。
「ほら、説明は実地でって言ってあったろ?兄さんが雑魚見つけたから説明がてら来いってさ☆」
「あぁ…解った、行く…」
椎の割とまともな説明に、馬酔木はやる気0ながらも仕方なく立ち上がる。
…身体が重い、頭が痛い、死にたい、
色々な所が痛い、殺したい、もう駄目だ…
立ち上がった馬酔木は、ぐるぐるとそんな事を思いながらフラフラと歩き始めた。
3秒後には布団にダイビング。
「えぇー(°□°;)」
椎ちゃんびっくら!!
水鶏様もびっくら!!
祐くんもびっくら!!
皆びっくらこいている。
因みに鴫先生を除いて。
「だから言ったろう、まだ動かしてはいけないと。」
真っ青馬酔木に無理矢理抜いた点滴を刺し直しながら愚痴愚痴言っている。
「…行く…」
馬酔木は鴫にそう言うと、また点滴を無理矢理抜きフラフラと歩き始めた。
(点滴をぶち抜くな!by鴫先生)
「仕事熱心なのは良い心掛けなのじゃ!ならば儂が手を貸してやるのじゃ☆」
水鶏様がパンッと手を叩いた瞬間だった。
―フワッ
「っっ?!!」
「あ、あ、馬酔木が浮いた!」
「あ〜水鶏様、闇翔を教えたの?」
「闇翔?」
馬酔木がフワフワ浮きながら、怪訝そうな顔で椎に問う。
「そ、闇の力で翔ぶ能力だよ。結構修得すんの大変なんだよね!」
「これなら気分が悪くとも問題無かろう?」
「…あぁ、少し楽だ。」
「ならばそろそろ行くぞ!」
「はーい☆」
「祐……行って来る。」
「いってらっしゃーい」
祐が呑気に手を振っていると馬酔木達はそのまま闇に消えてしまった。
「…はぁ、点滴の準備をするか。」
「さ、ご飯作ろうか、祐?」
「はい、鵲さん!」
残された面々はいつも通りの仕事に戻るのであった。