精神的に落ち着く様に薬を使ったからなのか、暴れ?疲れたからなのか、次の日起きた馬酔木はとても静かな少年だった。


「で、君は闇者という者で普通とは少し違う力があり色々危ないからここに来て貰ったという訳だ。」

白樫の説明を若干だるそうではあるが、なるべく聞こうとしている姿が見られる(笑)
闇者や床闇館について、能力について等色々と矢継ぎ早に説明した為か、少し疲れているようだった。

ふと、馬酔木は疑問に思った事を口に出す。

「…俺はいつまでここに?」

「うん、それなんだけどね…基本的にはずっと、なんだ」


「ずっと…」

馬酔木は考える。

別に戻りたい訳では無かった。
何故ならアチラには敵ばかり、そしてアチラでの記憶も大してない。
正直どうしていいのか解らず途方に暮れていたから。
アチラにいると狂いそうなまでに赤を求める。大して欲しくもないのに。
その赤は黒を喚び、自分にまとわりついてへばりつくからうざい。

だから…


「やっぱり嫌?」

椎が馬酔木の顔を覗き込みながら心配そうに聞く。沈黙をまた誤解されたようだ。


―グサッ―


「いたぁぁああいぃ!!!!!」


馬酔木はそんな椎の両目に容赦なく指をぶっさした。
そして痛がる椎を軽く無視して白樫に答えをつむぐ。


「いてもいいならここにいる」


「そう、良かった。…椎、平気?」

馬酔木に微笑みつつ自分の片割れの心配をする白樫。

少し涙ぐんでいるような気がするのは馬酔木の気のせいでは無かったりする。


「いたひ…かっこ涙…」

「お馬鹿椎…いたた…た」







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