「あ〜ぁ…あの餓鬼何処行ったかなぁ…」


キョロキョロと辺りを見回すが、餓鬼は何処にも居ない。



「もうとっくに逃げたか…」


ガランとしたいつもの場所が静寂を保っている。

先刻までの賑わいを忘れたかの様に…


仕方なく餓鬼の居なくなった自分の場所に座る。

やっと座れた…という奇妙な安堵感と高揚していた気分が落ち着いてきたのとで、何と無く不安を覚え始める。


「…餓鬼〜餓鬼〜…」


ついつい餓鬼を探してしまう

独りだと不安に押し潰されそうだ

…こんな気持ちは始めてだ


ふぅ、と溜め息をついた。
その時だった。


「退いてくれぬかのぅ?」

「?!!!」


何処からか分からないが声がする。

地の底からの様な…


寧ろ自分の座っている下の様な…

ガバッと立ち上がり1、2歩後退る。


「お主…本当に狂っておるのぅ。と言うか…臭いのじゃ!」

「…お、お前…」


彼はまさしく地の底から出てきた。
正確には俺の座っていた場所から出てきたというか…


‡‡‡




「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -