「…餓鬼…どけよ…」


今日は何故か自分のテリトリーに人が居る。

いつも俺が座っている場所で「占います」と書かれた札を置き、そいつは座って居る。


「占ってやらうか?」


餓鬼は俺を見ようともせずにそう言った。
そして俺の言った事を無視して更に続けた。


「ここは暗くて陰気臭いのじゃ。お主は此所が好きなのか?」


「…俺の言った事が聴こえなかったのか?」


俺も餓鬼の言葉を無視して強く退去を促した。


「これだから都会は嫌なんじゃ……ん?」


その餓鬼は突然喋るのを止め俺を見た。
その目を深い闇を閉じ込めた様な色だった。


何故か奴の目を見ている事が出来なくなる。


息が詰まる。

見るな…見るな…見るな…!!!!!



「…み…な…見る…な…」

「何を見られたくないのじゃ?」

「?!!!」


声が出ていたらしい。


自分では全く気付かなかった。
そして、自分には見られたくない事なら山程在った。


「ふむ…当ててやろうか?…のぅ、人殺しさんよ?」

「な?!」


一番当てられたくない

汚い汚い場所



本当に?

汚い…場所?



‡‡‡




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テーマ「人外ファンタジー」
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