「ただいま帰りました!」
藩邸の門を入るなり、小娘さんが大きな声で帰宅を告げる。
「高杉さ〜ん、水無月買ってきました〜!一緒に食べましょう?」
色気より食い気か…
まだまだ幼いところも。それが心配なところでもあるが…。
私がひとつひとつ教えて行こう。
「このお菓子は今日食べる特別なものなんですよね?
三角形が氷の形で…小豆が悪魔祓いだそうですよ。高杉さん!
高杉さんたくさん食べたほうがいいんじゃないですか?
たくさん悪魔がいそう…」
「小娘、お前もいうなぁ…
小五郎、なんとかしろよな。」
にこりと微笑みながら、水無月を一口。
悪魔祓いか…。小娘さんうまいことをいうね。
晋作払いに平らげてしまおうかとさえ思う。
世の全ての男たちを祓って、私だけの小娘さんにしておきたいと思うのは慾が多すぎるだろうか…
2011.7.6
桂祭りに間に合わず・・・
終って書いてしまった習作・・・・
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